家の構造に関するご相談
今回の地震で倒壊した木造家屋の一番の弱点はというと、屋根が重いということです。地震の揺れでまず柱がグラグラになり、重い屋根がそのままの形で下へ落ちてしまっています。揺れを止めて、出来るだけ丈夫にするためには、屋根を軽くすることが一番大切です。瓦葺きの家は、出来るだけ軽く金物で止めてある形にし、瓦の素材も軽い物を選びます。現在では、樹脂製で一見普通の瓦に見えるような物もあります。
次に大切なのは壁です。壁の大きさが家の面積に合っているか、またその配置がバランス良く並んでいるか、外力に対する強化の為の斜め材(筋交い)が中に入っているかというような事がポイントです。
最後に、柱と土台・梁の接合部がしっかり金物で止まっているかどうかということです。
以上の3点は、明日にでも建築士さんや大工さんにお願いして、点検しておいていただきたい点です。それに加えて、築30年のお宅ということですから、ちょうどオイルショックの頃に建てられた物だと思います。当時は材料の不足から必要充分な材料で建築されていない物件も多いようです。この機会に、建物の総合点検をされるのが良いかと思います。
結露は、外気温と内気温の差から生じます。防止のためには、壁下地材を壁から少し離し、外壁との間に空気層を設けてボードを張る2重張りが一般的ですが、その程度でおさまるものかどうか、結露の状況により処理方法も異なります。
簡単なものは、前記の2重張りの上に、防カビ性の処理が施してあるクロスを張る方法があります。この場合でも、立地条件により外気温との差が特に激しい場合は、外壁とボードの間に断熱材を入れると良いでしょう。さらに、大がかりにはなりますが、二つの窓の内側に、断熱用の樹脂製のサッシを取り付けて二重サッシにする方法もあります。このサッシは防音効果にも優れていますので、近隣の騒音に悩まされているお宅にも役立ちます。
また、ご質問では壁だけではなく天井にもカビが生えているとのことですが、結露ではなく、外壁の亀裂や屋根等の破損から、雨漏りしていることもありますので、一度、専門家に診断して貰うことをお勧めします。
構造などを考慮すればできます。当然ベランダ全体の荷重をささえる方法を考えなくてはいけません。もし、そこに1階の屋根がある時は、屋根の下の柱と梁をよく調べて荷重に耐えられるかどうかを専門家に見てもらいましょう。多分、大丈夫かと思われますが、建物の老朽によっても判断が異なってきます。
また、1階の屋根がない時は、柱を必要とします。間ロー間の窓とのことですが、ベランダの間口と幅によって、それに応じた本数が必要になります。ベランダも異なる手すりの他に、物干しなどが必要なら竿受けなども必要ですから、全ての荷重により柱やケタ(床を支える横木)を決めていきます。
筋交いとは、木造建築の骨組みを補強するために打ち付ける木材です。木造建築では、縦と横方向の土台、柱、梁などが骨組みになっていますが、これだけでは地震の横揺れが来たとき、全体が斜めにゆがんでしまう可能性があります。そこで斜め方向に筋交いを打ち付けて、全体をしっかりと安定させるのです。
筋交いがないと大地震で建物が倒壊する可能性が高いので、一九八一年の建築基準法改正で耐力壁とともに筋交いの設置の義務が強化されました。つまり一九八一年以前の建物だと、筋交いが弱い可能性も充分に考えられます。また、一九八二年以降の建物でも手抜き工事などで筋交いがないこともあります。必ず確認しましょう。
ダニやカビの問題は無視できないものの、気になりだすと精神的にもよくありません。7年ほど前に設計したお宅の御主人が、ダニを気にして床材にこだわりましたが、10数年お世話になっている医者にこのことを話すと、「ワハハ1料理のスパイスにも入っていることを知っていましたか」と言われ、溜飲が下がったとおっしゃっていた話を思い出しました。要は生活の至る所にダニはいるという例えです。
住まいの中でダニと床材選びに、カーペットの善し悪しが必ず挙げられますが、あまりこだわらずそれ以上のよい部分が生活にマッチし、防音や保温性が優先するなら大いに取り入れるのがよいと思われます。その代わりに掃除をこまめにし、カビ防止のために自然通風を入れたり、また湿度 の多い場所なら、下地をコンパネの二枚張りなどで重装備にし、床下からの湿気を防いだり、さらに基礎部分の地盤にベタにコンクリートを打って強化するなど、リフォーム時には対応策をいろいろ考えてみてできるだけフォローしましよう。どうしても気になる人は、時々日に干したり、ほこりをたたき落とせるように、置き敷きにして(部屋の隅までカーペット敷きにし縁をとり、簡単に取り外せる製法)はいかがでしょう。この方法は内装屋さんが引き受けてくれます。
そもそも基礎とは地盤に埋め込み、建物を受け支えるものです、基礎の上にあって柱が留められているのが土台で、建物の足元を固める役目を果たしています。基礎と土台はアンカーボルトという金属でつながれていますが、これがうまくセットできていないと、基礎と土台がはずれて大きな倒壊を招きます。
現在、木造建築には布基礎と呼ばれるコンクリート製の基礎を使うことが義務づけられています。布基礎は逆丁字型で、家の間仕切りに沿って底部を地中に埋め込んでいきます。土台と基礎が壁を直接支えることになるので、とても安定がよくなります。また、布基礎の中に鉄筋を入れるとさらに強くなります。住宅金融公庫を利用するための規定では、かなり以前から必ず鉄筋を入れるよう義務づけられています。
布基礎が義務づけられたのは、一九七一年からです。昔の木造建築は、玉石を敷いた上に直接柱をのせるだけでした。これでは直下型地震が来たら簡単に家が倒壊してしまいます。布基礎になっていない場合は、すぐに直しましょう。
基礎にひびがみえたら、基礎が割れているおそれがあります。基礎が割れていると地震で家が基礎から倒れる危険があります。家の外から見て、基礎にひびが入っていたら、細い針金などをひびの中に入れてみましょう。針金が3㎝以上入るようなら、基礎の中まで壊れています。すぐに本格的な補修を行いましょう。3㎝以下なら表面の仕上げ材がはがれただけなので簡単な補修で直せます。
昔ながらの屋根はとても重い物が多く、特に直下型地震が来た場合、屋根の重みで
家が真ん中からつぶされる危険があります。
昔の日本家屋は、丸い玉石を並べただけの簡単な基礎の上に、直接木の土台を置いて家を建て重量のある瓦屋根を重しのようにのせて安定させるケースが多くみられました。本格的な瓦屋根は瓦が陶製で重く、しかも強風で飛ばないように瓦を乗せる部分にたっぷり赤土を敷き、それだけでも5~6トンになることがあります(土葺きという)。そのため屋根全体はかなりの重量になります。このように屋根が重いと、家がつぶれなかったとしても地震による揺れが大きくなります。また、瓦が飛んで落ちてくる危険性もあります。
このような土葺きの瓦屋根なら、できれば葺き直しましょう。最近はセメント製の軽い瓦がありますし、瓦の釘付けも義務づけられています。
古い木造建築の場合、漆喰など土でできた壁が主流ですが、これは耐久性に欠けます。また、最近よく使われているモルタルは、セメントと砂を混ぜたものです。本来燃えにくい材質ですが、ひびが入りやすく、振動によってはがれやすいという弱点を持っています。ひびが入るだけでも耐火効果は激減するし、はがれ落ちるとまったく耐火の役目をはたしません。いずれの場合も、できればサイディングなどに張り替えることをおすすめします。
建物の外周壁より外部に突き出して設けた窓のことを出窓といいます。出窓には様々な効用がありますが、最も大きな効果としては、室内空間に広がりを与えてくれることです。室内から外部に突き出た部分は、一般的な出窓で20㎝前後から25㎝ぐらいですが、その張り出しが室内に広がりを与え、ゆとりの空間をつくりだしているのです。
そういったゆとりの空間の窓台にあたる地板部分に、一花瓶などの飾りものを置くとインテリアを引き立たせる、といった副次的な効果も生まれてきます。また出窓の下部を利用して、デスクを組み込んだり、収納スペースにしたり、エアコンを内臓したりといった複合機能の出窓も登場しています。
出窓は構成の仕方によっては、普通の窓以上に採光や通風の面で効果を高めることもできます。
突き出た部分の側面を袖といいますが、その袖をガラスにすれば、正面ばかりではなく両サイドの側面からも外光を得ることができます。
さらに出窓の屋根部分がトップライト式になつでいるタイプで、上からの光を得ることもできます。通風も同様に正面を引き違い窓にし、側面を片開き式にするなど、様々な方向から風が入るようなタイプもあります。出窓は外観デザインにも大きな効果をもたらします。出窓を、設けることによって外観にアクセントをつくり、豊かな表情をつくりだします。ただし、出窓をあまり多く設けるとバランスが崩れ、アクセント効果も半減します。
最も一般的なタイプは角形出窓といわれるものです。箱型出窓ともいわれており、 正面と側面との角度が90度のボックス状態で突き出ています。台所や浴室用、あるいは和室用の出窓として、様々なところに使われています。ボックス状の角形出窓に対して、正面と側面との角度を緩やかにしたものが、台型出窓です。その名の通り台形に突き出た出窓で、室内外にワイドな広がりを与えてくれるのが特徴です。洋風住宅にマッチする出窓で、台形目湾状ということからベイウインドーともいわれています。
台形出窓の角度を更に緩やかなものにして弓状にしたのが、弓形出窓ないしボウウインドーです。弓状にカーブを付けているため、台形出窓よりは柔らかな印象を室内外に与えます。洋風住宅の居間などの広い部屋にマッチする出窓で、最近急速に人気が高まってきています。
その他、小空間のアクセント窓にもなる三角出窓、縦に細長いスリムな形状の出窓など、様々な形をした出窓がラインアップされています。
出窓の役目の一つに、狭い空間に広がりを与える効果があることから、浴室、洗面所、トイレ、台所といった小空間に設置されるケースも多く、各々の空間にマッチしたタイプも用意されています。
また、床面から外部に突き出して、窓構成もパノラマ風に視界が開けるようになっているテラス出窓は、広い部屋をさらにワイドな空間に処理でき、スペース的にも視覚的にもゆとりのある空間をつくり出してくれます。
耐震補強工事は手間がかかり大変で儲かりませんから、建替えを勧めるのが一般的です。
後付けの金物を売る業者も多数ありますが、壁量や柱の位置等のバランスを考慮して取付けたとしても、外壁の上から簡単に取付けてしまう為、下地の柱や土台基礎の強度に不安が残ります。
今回のケースでは、一古い家を本格的な耐震工事で再生させ惹良心的な工務店をご紹介しました。同時に外壁も塗装し直立て今では新築同様と太喜びのご夫婦です。
サイディングの日地が破れる原因としては、下地処理が適切ではない事が考え内壁もデコボコに暴れていて、一部クロスが破れたり、床が下がったりしている状態でした。
築浅のお宅なのに、おかしいと思い耐震診断をさせていただくと、ちょうど階段の延長方向の耐震壁が不足していて、新築時に壁を撤去する改造をしていることが分かりました。
今回、外構遜装の時期でしたので既存サイディングを脱硝して、耐震補強工事を行いました。まだ不足しているキッチン廻りの耐震壁は、次回キッチン改修の時に補強する予定です。
築19年目にコロニアルの屋根を塗装しましたが、2階の洋間が雨漏りするようになりました。塗装前は何もなかったので塗装業者さんに苦情を伝えたところ、「うちは何もしてない」と相手にしてくれません。
外壁塗装をする時に、「屋根もそろそろ塗らないと雨が漏ってきますよ」と塗装屋さんにすすめられ塗装しているお宅が多いのが、このコロニアルの屋根です。塗装で注意したいのは、コロニアル材料どうしの隙間を塗料でふさがないことです。
ご相談者のお宅の屋根は、勾配が緩く、材質が劣化して割れやすくなっていましたので、作業時に数カ所コロニアルが割れた様子でした。塗料でふさがれた隙間から、毛細管現象による雨水の浸入が加わり、雨漏りの原因になった様子です。
コロニアルの隙間の塗料を出来るだけ取り除き、雨の侵入箇所をガルバン鋼板で板金処理して防水しましたので、しばらくは安心です。
結露は、外気温と内気温の差から生じます。防止の為には、壁下地材を壁から少し離し、外壁との間に空気層を設けて、ボードを張る2重張りが一般的ですが、その程度で納まるものかどうか、結露の状況により処理方法も異なります。簡単なものは、2重張りの上に、防カビ性のクロスを貼る方法があります。この場合でも立地条件によっては断熱材を入れる必要があります。 また、天井のカビの場合、結露ではなく、外壁の亀裂や壁等の破損から、雨漏りしていることもありますので、一度、専門家に診断してもらうことをお勧めします。